初心者のエギング入門｜失敗しない釣り竿選びと仕掛けセット完全ガイド

エギングは、比較的軽い道具で始められる人気の釣り方です。ただ、釣り竿や仕掛けには専用の基準があり、最初に迷いやすい分野でもあります。

この記事では、次の流れで初心者の「迷い」を順番に解消していきます。

• どんな釣り竿(ロッド)を選べばよいか
• リール・ライン・エギの基本セット
• 実際に何を買えばよいか

エギング用の釣り竿(ロッド)の選び方

結論として、初心者向けエギングロッドは「長さが8.0〜8.6ft」「硬さがM」の条件を満たしたモデルを選ぶと、最初の1本として失敗しにくくなります。ここでは、その理由と比較のポイントを整理します。

最適な長さが「8.0〜8.6ft」の理由

エギングロッドの長さは、一般的に7.6〜9.0ftほどの範囲が中心ですが、その中で初心者に推奨できるのが、8.0〜8.6ft（約2.4～2.6m）の長さです。

※1ft＝30.48cm

8.0〜8.6ftを勧める主な理由

飛距離と操作のバランスが良い

8.0～8.6ftは、遠投性能を確保しつつ、エギング特有の「シャクリ」という動作がしやすい長さです。7ft台より遠投しやすく、9ft台より釣り竿の重さを感じにくい、最適なバランスです。

堤防・漁港など多くの釣り場に対応しやすい

足場の高い堤防では、エギを操作しやすく、テトラ帯でも扱いに困りにくい長さです。

初心者が短すぎるロッドを選ぶと、飛距離不足でポイントに届かない場面が増えます。逆に長すぎるロッドを選ぶと、シャクリ時の負担が増え、操作が難しくなります。そのため、最初の1本は中間的な8.0〜8.6ftを基準にすると判断しやすくなります。

最適な硬さが「M（ミディアム）」の理由

ロッドの硬さが増せば増すほど、投げられるルアー（適合エギ号数）のサイズも大きくなります。M（ミディアム）は、秋の小さいイカから、春の大型のイカまで、通年で使用することが可能です。

また、イカだけでなく、小型の青物やシーバスなど、パワーが必要な釣りにも流用することができます。

ロッドの硬さの種類

ロッドの硬さは大きく分けて7種類あります。ULが最も柔らかく、XHが最も硬いロッドとなります。

• UL（ウルトラライト）
• L（ライト）
• ML（ミディアムライト）
• M（ミディアム）
• MH（ミディアムヘビー）
• H（ヘビー）
• XH（エクストラヘビー）

失敗しないためのロッド比較基準

実際に店頭や通販サイトでロッドを比較するときは、次の項目を順番に確認すると判断しやすくなります。

ロッド比較チェックリスト

1. 長さは8.0〜8.6ftの範囲か
2. 硬さはMか（適合エギ号数が4号に対応しているか）
3. 重さは100〜120g前後か（目安）
4. エギング専用またはエギング対応のロッドか

初心者向けエギング仕掛けの基本セット一覧

結論から言うと、エギングの仕掛けは「リール（糸を巻く道具）」「ライン（糸）」「エギ（疑似餌）」この3つを、エギング向けのバランスで揃えれば十分です。

リールは2500番がオススメ

まず、リールとは「糸を巻き取るための道具」です。ロッドの手元側に取り付けて、ハンドルを回して糸を出し入れします。お店では「2000番」「2500番」「3000番」といった数字でサイズが書かれています。
この数字を「リールの大きさの目安」と思ってもらえれば大丈夫です。

エギング初心者には、まず2500番をオススメします。

2500番がオススメの理由

大きすぎず小さすぎず、ちょうどいいサイズ
手に持ったときの重さと大きさのバランスが良く、1日シャクっても疲れにくくなります。

エギング用の糸（PEライン）が十分な量、巻ける
「PE0.4〜0.8号」という細い糸を150m～200mくらい巻くのに、ちょうどいい容量です。

他の釣りにも使い回ししやすい
エギングだけでなく、サビキ釣りなどの魚釣りにも対応しやすいサイズになります。

2000番以下にすると軽くはなりますが、糸の量が少なくなり、遠投が必要な場面で不安が出やすくなります。逆に3000番以上にすると重くなり、初心者には「1日振り続ける釣り」では負担になりやすいです。

ラインはPE0.6〜0.8号、リーダー1.5〜2号がオススメ

ここでは、「糸の種類」と「なぜ2種類の糸を使うのか」をセットで整理します。

釣り糸の代表的な3種類

PEライン
引っ張ったときの強度も高く、ほとんど伸びない糸です。「ルアー（エギ）の飛距離が出る」「イカが触ったときにわかりやすい」という特徴があります。一方で、ルアーへの結び目が緩い、岩などの擦れや摩擦にはめっぽう弱いという弱点もあります。

フロロカーボンライン
少し硬めで沈みやすく、岩などの擦れに強いラインです。堤防の角や岩に触れても、他の糸よりも切れにくい性質があります。巻き癖がつきやすく、単体ではトラブルが起きやすいラインです。

ナイロンライン
価格が比較的安く、しなやかで扱いやすいという特徴があります。一方で、伸びやすく、「イカが触ったかどうかわかりづらい」という弱点もあります。

それぞれの糸の”良いとこどり”をするために、エギングではPEライン＋フロロカーボンライン（リーダー）を組み合わせて使用します。ナイロンも完全に使えないわけではありませんが、エギングの特長である「感度」と「操作性」が弱くなりやすいため、サブ的な位置づけになります。

メインの糸：PE0.6〜0.8号

リールに巻いておくメインラインは、ほぼPE一択と考えて問題ありません。エギングでは、PE0.6〜0.8号が標準的な太さです。意図は太くすればするほど空気や風の抵抗を受けやすくなり、ルアー（エギ）が飛びづらくなったり、扱いづらくなります。逆に細くしすぎると、切れやすくなるため、初心者には扱いが難しくなってしまいます。

先端だけ太くする糸：リーダー1.5〜2号

PEラインの弱点である「擦れに弱い」という点を克服するために、先端にフロロカーボンを巻きます。いわゆるショックリーダーです。フロロカーボンは、1.5～2号がオススメです。

まとめると、エギングではリールに巻くのが「PE0.6〜0.8号」先端に結ぶのが「フロロカーボン1.5〜2号のリーダー」という形で覚えると、ライン選びで迷いにくくなります。

エギの号数は2.5〜3.5号がオススメ

エギは、イカを狙うための「エビの形をした疑似餌」です。パッケージには「2.5号」「3.0号」「3.5号」といった数字が書かれています。この数字はエギの大きさと重さの目安です。

初心者が持っておきたいのは、2.5・3号・3.5号の3種類です。季節に応じて使い分けましょう。

使い分けのざっくりしたイメージ

• 秋：2.5号～3号
• 春：3号～3.5号

低コストで揃う”最低限セット”

「とりあえず一度エギングをやってみたい」「できるだけ安く始めたい」という人向けに、最低限必要なものだけを揃えたセットイメージをまとめます。

ただ、私は今回紹介するのは最安値というわけではありません。最低でも1.5～2万円程度の初期費用をかけて揃えることをオススメします。なぜなら、今回の記事で紹介した各道具の「基準」を満たさない道具は、かえって釣りのストレスを増やすことになるからです。

初心者向け・最低限セットの例（1.5～2万円）

1. ロッド：エギングロッド エントリーモデル エギングX 86M
2. リール：ダイワ – スピニングリード 23レガリス LT2500S-DHまたはダイワ 16ジョイナス2500
3. メインライン：シマノ PEライン ピットブル 8本編み 150m 0.8号
4. リーダー：ダイワ フロロライン エメラルダスリーダー 35m 2号
5. エギ：ダイワ エギ エメラルダスピーク 3.0号

上記はあくまでも一例ですので、今回記事で紹介した「基準」を満たす装備であれば大丈夫ですし、今お持ちのロッドやリールなどがあれば、多少、基準を満たさなくても釣りはできます。

エギングにチャレンジしよう！

ここまで揃えれば、堤防・漁港のエギングを始める準備は完了です。ぜひ、エギングにチャレンジしてみてください！